賃貸物件囲い込みにご注意ください。
最近お客様からスーモやヤフー、アットホームなどエンドユーザー向けのインターネットサイトに掲載されている物件の案内を依頼されることが増えてきました。
お客様からいただいた情報を元に、募集元の不動産業者に確認すると「他の不動産業者には紹介していません。」と言われます。
入居者募集でお困りの大家さん。ご自身が所有している賃貸物件の募集がしっかり行われているか時々確認してみてはいかがでしょうか。
不動産物件の募集と手数料報酬の仕組みについて
賃貸物件の囲い込みの話をする前に、不動産会社がどうやって物件登録をしているかその仕組みをご説明します。
不動産会社は賃貸物件の募集依頼や売買物件の売却依頼を受けたら、一部の例外を除き国土交通大臣の指定を受けた流通機構が運営する通称レインズ(REINS)に、物件情報を登録し、借主の募集を行わなければなりません。
レインズへの登録は宅建業法で規定されていて、不動産業者が専任で依頼を受けたなら7日以内、専属専任で依頼を受けたなら5日以内にレインズに登録しなければなりません。
宅建業法で決まっているから囲い込みは起こらないのでは?と言われそうですが、実際はかなりの割合で囲い込みが行われています。
ではなぜ囲い込みが起こるのかと言うと、それは不動産取引における報酬が原因と思います。
通常不動産取引が成立した場合、成約に尽力した不動産会社は媒介契約に基づいて、取引の一方である貸主(売主)から報酬を受け取ることができます。
※賃貸なら賃料0.5ヶ月分(または1ヶ月)売買なら売買価格の3%+6万
この様に貸主(売主)からの報酬を受け取る片手数料が一般的ですが、不動産会社が借主(買主)を探した場合は、貸主(売主)に加え借主(買主)からも報酬を受け取ることができます。(両手数料・リョウテスウリョウと言います。)
つまり両方から手数料を受け取れることで、儲けも倍になると言うことです。
物件オーナーの利益は二の次。自社の利益が最優先の不動産会社。
不動産会社にとって仲介手数料は売上に直結します。貸主、借主(売主・買主)両方から手数料を受け取るために一生懸命頑張ります。
正当な営業活動の結果、両方からの手数料を得ることに異論はありません。
しかしながら囲い込みをしている不動産業者は、自社の利益を最大化することを目的にしています。
貸主から預かった物件もレインズに登録すらせず自社問い合わせのお客様だけに紹介したり、レインズに登録しても問い合わせすると「商談中または申込み頂いています」と言って他業者に取引の機会を与えようとしません。
不動産物件を囲い込まれることによる実害
物件が囲い込まれることで一番の損失を受けるのは貸主や売主です。
囲い込まれている物件の多くが取引の機会を逸してしまい、結果的に家賃の値下げや長期間の空室を抱えることになってしまいます。
自分の物件が囲い込まれていないか確認する方法。
不動産オーナーにとって自分の物件が囲い込まれていることによって受ける損失は不動産会社が想像するより甚大です。
スーモやアットホーム、ホームズなどのエンドユーザー向けインターネットサイトに掲載されていると言って囲い込まれていないと思うのは禁物です。
今は賃貸物件の大競合時代です。
囲い込みを行っている不動産業者がエンドユーザー向けサイトに掲載しておけば、契約が決まる時代ではなくなりました。
似たような物件が多く出回り、人口減少を向かえ賃貸経営を取り巻く環境は悪化の一途です。
そんな中で囲い込まれてしまっては不動産オーナーにとって一大事です。
囲い込み防止策は①募集を依頼している不動産会社に問い合わせ件数と内見数、それに問い合わせした業者名・連絡先を記入した報告書を提出してもらってください。②依頼している管理会社に、別の不動産会社を装って連絡してみることです。この時、申込みが入っている、他社にはご紹介していませんと言われたら間違いなく囲い込まれています。
囲い込みによって大変な損失を被る事になります。
繁忙期の今だからこそご自身の物件が募集依頼した管理会社によって囲い込まれていないか是非確かめてみてください。
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